プラダ二つ折り財布
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(プラダ)PRADA 二つ折り財布 2M0738 QTD F0002/SAFFIANO CORNER NERO メンズ財布 メタルロゴ 型押しレザー ブラック [並行輸入品]
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(プラダ) PRADA プラダ 財布 PRADA 1M1225 UZF F0215 SAFFIANO METAL COBALTO[並行輸入品]
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プラダ PRADA 財布 1M0204 二つ折り財布 SAFFIANO METAL(サフィアーノ) CAMMEO(キャメル) 【アウトレット】【並行輸入品】
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(ヴィヴィアンウエストウッド) Vivienne Westwood ヴィヴィアンウエストウッド 財布 Vivienne Westwood 33065 MAN BICOLORED 二つ折り財布 GREY[並行輸入品]
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(プラダ)/PRADA TESSUTOOロゴプレート付きコンパクト折り財布 2M0738 TES NERO[並行輸入品] [ウェア&シューズ]
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(プラダ)PRADA 二つ折り財布  2M0738 QME F0002/SAFFIANO METAL NERO 財布 メタルロゴ 型押しレザー ブラック[並行輸入品]
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null そして徹吉一人が、未だに鈴木治衛門の土蔵の中に日を送る身の上となった。徹吉は少なくともその冬をここに厄介になるつもりであった。世情は慌しく、騒然としていた。戦犯の逮捕がはじまった。天皇がマッカーサーを訪問された。治安維持法廃止、政治犯即時釈放、天皇制批判の自由、とGHQから矢継早の指令が出た。日本は占領されているのだった。大きな駅には浮浪者、戦災孤児が群れ、一夜明けると地下道にころがった彼らが、そのまま冷たくなっているのが発見されるという報道もあった。この冬には、大量の餓死者が出ることは間違いなかった。  徹吉には今は都会が怖ろしかった。少なくともここでは、よく炊けた純米の飯と味噌汁と新鮮な野菜には事欠かない。終戦直後の、進駐軍が婦女子に暴行をするとか掠奪するとかいう村人の噂もまず嘘だということがわかった。理窟から考えてそんなことを米軍がやろうとは思えなかったが、それでもこれだけの戦争のあとだけに、村人たちの憂慮に徹吉は自信を持って応対できなかったものだ。先日、徹吉は進駐兵をはじめて見た。村の入口にジープが止っていて、二十歳をいくらも越えていなそうな三人の米兵が快活にしゃべりあって笑っていた。まるで外国人をはじめて見た男のように、徹吉はおどおどとその横を過ぎて歩き去った。  夜、ときどき彼は、わずかばかり残った書物、クレペリンの教科書などを繙いてみることもあった。しかし、すぐと大儀になって巻を閉じた。彼の荷物のなかにはいくらかのノートもあって、もとより総括的な仕事は望むべくもないが、ささやかな小論文を書こうとすればできないことはなかった。が、徹吉は一種うとましい気持でそれを見やり、ふたたびカバンの奥へ蔵いこんだ。なにより彼には、もはやなにかを為そうという気力がなくなっていた。それを支える体力もなかった。何もなかった。完全に何もなかった。少なくともそんなふうに思われた。  西欧の学者たちが定年となり隠退してからのちも、精力的に厖大な業績を残すという例を徹吉はよく承知していた。だが、そのような事実は今は彼への励ましとはならず、むしろよりいっそう彼の気をめいらせた。  意外に早く訪れた老年の生理が、彼の諦念の情に拍車をかけた。歩いてもすぐ息が切れた。頭は常にうっとうしく、どんよりとし、尿意がますます頻繁となった。この地方の他の多くの家と同様、徹吉の寄寓している家でも便所は戸外に建てられている。夜中に間にあわなくて粗相をしてしまったことも一再にとどまらなかった。  稲刈が済み、田の中に落穂を拾う子供たちの姿も見当らなくなった。夜はめっきりと冷えた。土蔵のなかに一人寝ていると、柿の落葉が軒に当るかすかなひびきまで聞えてきた。そういう夜、徹吉はなかなか寝つかれず、東京で生活を始めた家族たちのことを思った。龍子の便りによると——進駐軍の検閲のため手紙の下部がセロファンで封がしてあった——地方にいては想像もつかない生活費が入要なようであった。もっとも着のみ着のままで焼けだされたのだから、それも無理はないのかも知れなかった。しかし、その莫大な金額は彼を不安にし、ほとんどおびえさせた。有体にいって、徹吉は松原の病院を売った分前も受けていてかなりの金持ではあったのだが。  決して無駄使いをしないように、と書いてやると、折返して龍子から返事がきた。無駄使いとはとんでもない。自分らには戦災者用配給の毛布を除き蒲団一枚なかったのだ。私が箱根の山荘から運んできたり、知人に無理を言ってどうにか工面をつけているのだ。昨日も自分は峻一の居場所を確かめるために、ボロボロのパン一枚を齧っただけで、一日じゅう復員局から何から駈けずりまわったのだ。そしてその挙句、峻一についてはなんらの情報も得られはしなかったのだ。のんきな田舎で、無駄使いなどと考えて貰っては困る。  徹吉は叱責を受けた児童のようにしょぼしょぼと目を伏せ、龍子の手紙を畳みながら、軒先に落ちてくる柿の落葉の音を聞いた。  このうえなく晴れ渡った或る日の午後、徹吉は日課となっているあてのない散策に出た。古びた黒の背広を着、地下足袋をはき、杖をつきながら。  村道に出て少しゆくと、大層な勢いで走ってくるジープに出会った。山形市にいる米兵なのであろう。後方に砂塵を濛々と立てているものだから、徹吉は慌てて道端に退避し、よろけてすんでのところで溝に落ちそうになった。その瞬間、彼は米兵がひどく憎らしかった。日清、日露の戦役とわが国は勝ち進んできたのに、ついに奴らに負けたのかと思った。それは徹吉が見せた実に久方ぶりのわずかな気のたかぶりであった。  それから徹吉は杖をとり直して、少しく村道を辿り、右手に折れてだらだら坂を登っていった。蔵王の湯所のひとつである高湯へ通ずる道である。  秋だった。晩秋であった。さながら丸みを帯びたような柔らかな日ざしが、さまざまに色を変えた山林にそそいでいた。すがれた下草では虫が鳴いていた。よろよろと生気のないバッタが道の上に這いだしてきたりした。  木々は美しく紅葉しているのもある。黄金色に日を照りかえしているのもある。微妙な淡い茶色、あるいは渋い茶色と変じかけているのもある。その中にまじって、常緑樹の濃い緑が、どこか沈んだ対照を見せている。  一本の漆がひときわ赤く紅葉していた。徹吉はそのわきで足をとめ、息をつき、少年時に見慣れた赤い葉を見つめた。すると古い追憶が忽然と泉のように蘇ってき、彼をほとんどうろたえさせた。  徹吉が小学校の生徒だったころ、児童たちを威圧していた年長の童子がいた。他の児童たちを引具して山の中を恣に遊びまわるのである。ある春の日、彼は徹吉たちを連れて大きな漆の木の前に立った。小さな芽が枝の先端から萌えかかっている。彼はその芽をつみとると、一同を居並ぶように言いつけ、それぞれ腕をまくらした。そして芽のつみ口から出る白い汁で、前膊の内側のところに、女陰と男根の像とを描いた。もとよりごく単純化されたたわいもない絵である。描いて貰うと、児童らはなにか嬉しい気がして、声をあげて笑った。徹吉も笑った。次の日みんなが腕の絵を見せあうと、漆の汁のついた跡だけ黒い模様となって乾いている。ところが徹吉のだけはそうではなかった。赤くなって少し腫れあがっている。時と共に、そこがかゆくなり、痛味も加わって、ついに小さな女陰と男根図から汁が滲みだした。徹吉はこれを父母に打明けることができなかった。なにより少年にとっては揺がしがたい罪悪感を覚えたからである。沢蟹をつぶしてつけると癒るという者がいた。そこで徹吉は沢から小さな蟹を捕えてきて、その臓腑を化膿しかかっている傷口になすりつけた。しかしなかなか治癒しない。いったん痂ができて、癒るかと思うと、その下の傷口は尚ふかく膿んでゆくようである。およそ一月余、このことで徹吉はひどく悩んだ。とうとう傷を母に見つけられ、その成行きを白状させられた。母は彼を父のところへ連れていった。叱るかと思っていた父は大声で笑い、どろどろした油薬をつけてくれた。傷口はほどもなく癒り、徹吉は更めて父に畏怖に近い尊敬の情を覚えたものであった。  あの傷は瘢痕となって、たしか高等学校に入るころまで残っていた筈だった。そして、いま、年老いた徹吉は、路傍にたったまま、だしぬけに上着の袖をずらして前膊の内側を凝視してみた。もとよりかすかな跡さえ残ってはいなかった。  徹吉は戸惑いした気恥ずかしいような気で、思わず周囲を窺った。木々の諸葉だけが午後の陽ざしに照り映えていた。